こんばんは。セイカ(@seyca_ktd)です。
みなさん、「林業」と聞いてどんな仕事をイメージされますか?
って漠然としたイメージを持つ人は多いんじゃないでしょうか。
私も実際に高知の山奥に暮らすまでは、こんな印象を持っていました。
目次
林業ってどんな仕事?今と昔の山師の仕事を聴き比べしてみよう
わたしの夫である、ばたやんは「林業」をナリワイとして暮らしています。
以前、小学生から寄せられた林業に対する質問に答えたりもしていて、そういうのをよく聞いたりはしていました。
でも、知らない機械の名前や専門用語も多くて、どうしてもぼんやりしてしまう「林業」のイメージ。
しかしながら、高知県の森林率が84パーセント、わたしの暮らす本山町は89パーセント、さらにクローズアップして、住まいのある汗見川地域は森林率がなんと98パーセント…!
山に囲まれた暮らしをしておきながら、山のことを知らないなんて、なんだかもったいない。
なんてことを考えている時にとっても素敵なイベントが開催されました!
その名も「山と共に暮らす 山師の今昔」というイベント。
このイベントの講師には、夫のばたやんと、同じ集落に住む77歳のおんちゃんの文一さん。
文一さんは高校を出てから70歳になるまで山師をしていた大ベテラン。
一方、夫のばたやんは地域おこし協力隊の林業振興員として山仕事をはじめ、卒業後は自分で林業の事業組合を立ち上げて、今年で3年目。
そんなふたりが語る、今と昔の山仕事。
内容がとっても素敵だったので、ご紹介していきます!
「半林半X」の働き方が山での暮らしにはぴったり!
大ベテランの文一さんはまさに「半農半林」という生き方を長年されてきた方。
田んぼを多い時は約1町歩つくりながら、山仕事をしていたといいます。
文一さんの時代は、木材の買取価格も高かったこともあって、百姓として使う機械は山の稼ぎで買っていたんだとか。
夫のばたやんも、なんだかんだでやっぱり「半林半X」という生き方がスタンダードになっています。
我が家は1反の田んぼを耕していますが、それ以外にも花火師のバイトや、自分たちできった木を製材する仕事なんかもしています。
そういう意味でいえば、
なんて風に思っちゃいますね。
山師の昔の話を聞いてたら、いかに今の山師が恵まれた環境で仕事をしているのかもすごく思い知らされました…。
本当に昔の人はすごい。
話を聞けば聞くほどに、運動量、筋肉の使い方なんかが今の若者と完全に違っているので、そりゃあれだけ田舎のじっちゃんばっちゃんが元気なわけだと納得します…。
昔の林業って、山でどんな風に仕事をしていたのか?
木の伐り方
昔はもちろん「チェーンソー」なんかないので、すべて人力です。
こちらが大ベテランの文一さんが実際に昔、山仕事で使っていたという道具たち。
これで30年生の木を、人力でギコギコきるんですよ…。すごくないですか…。
1日10時間労働で、30本きっていたそう。
木を山から搬出する方法
今は機械を使うので、あまり乾かさずにそのまま搬出しますが、昔は運び出すのも人力。
だから極力、乾燥をさせて搬出していたそうです。
尾根から谷に木材を集めて、「修羅」という滑らせながら搬出する方法を利用。
このあたりでは「スラ」と発音するそうな。
林業の最盛期だったころは、30年生の丸太を自力で持ち帰ったものが日当となり、それを飲み代にあてていたなんてお話もありました。
馬搬はやってたのか?
将来、馬を飼いたいわたしとしては、気になっていたのがこれ。
このあたりでは、馬よりもどちらかというと、牛をつかった「牛搬」のほうがメジャーだったようです。
文一さんは牛搬をしてはなかったものの、知り合いにお願いしたことはあったそう。
仕事場へのアクセス
昔はみんな徒歩で、重たい荷物を背負って、泊まりがけで山仕事をしていたりしたんですよね…。
チェーンソーの出始めの頃なんかは、今みたいに樹脂製の部品ではなく、鉄やジェラルミンでできていたから、とにかく重たくてたまらんかったそう。
そんな鉄のかたまりを抱えて、山を登るだけでも息切れしそうですが、そこからようやく始めることができるのも超肉体労働とは想像を絶する…。
実際にうちのメンバーも含め、女性の林業家もたくさんおるし、どんどん女性にも参入してほしいね
いい山を残すためにはどんなことをしたらいいのか
いやー、奥が深すぎる。
山主さんによって、
「大径木を育てたいから、ゆくゆくは1haあたり70本に仕上げてほしい」
「とにかく今現金が必要なので…」
「皆伐して植え替えたい」
などなど、とにかく考えが多様。
その意向を汲んで、山師が山を仕立てる。
林業も農業と同じだなと思ったのが、野菜づくりと一緒で、種まきしたあとに密植したままでなく、成長が悪すぎるものやよすぎるもの、まがっていたり、虫食いのあるものは「間伐」(間引き)してあげる必要があるんですよね。
まさに間伐(手入れ)が必要な山が多すぎる今、完全に山の担い手不足で、その間もどんどん木は大きくなるばかり。
日本の山よ、どうなる!
ってのが今の日本の山の現状なわけです。
山と共に暮らす地域を存続していくためにできること
イベント参加者の方からこんな質問もありました。
「ここらへんの地域も限界集落ですが、高知県内には実際に消滅してしまった山村集落もあるわけで…。魅力ある山暮らしが消滅していくのを見過ごせん。どうにか食い止める方法はないろうか?」
それを、うまく形にすることができれば、移住者を呼ぶきっかけにもなるし、人口減少に対する多少の歯止めにはなるはずやねん
山で暮らすことがお金になる。
結局、山村集落から若者が出て行ってしまったのは、仕事がないからという理由がほとんど。
でも資源はあるんですよね、すぐそばに。
資源を活かすも殺すも、そこに暮らす人次第。
実はすでにわたし、チェーンソーやユンボの操作資格をとっているので、この資格も活かすも殺すもわたし次第なんですよね。
というわけで、今後の経過をお楽しみに。笑
それでは今回はこれにて!ではまた!