こんにちは!生後8ヶ月の息子を子育て中のセイカ(@seyca_ktd)です。
今まで公にはしていなかったのですが、自分の出産体験や息子の病状をありのままお伝えすることで、救われるお母さんって必ずいると思うので、ここに綴っておきます。
私自身も同じ病状の子どもを持ったお母さんが書いたブログ に一体どれだけ救われただろうか。
目次
お尻に大きな腫瘍がある難病・特定疾患「仙尾部奇形腫」
出産時の細かなレポートは別の記事にしたので、こちらも合わせてご覧ください。
私の息子は生まれたきに、足の間に顔と同じくらいの大きさの腫瘍が見つかりました。
3500gで生まれた息子ですが、実はその100gちょっとは腫瘍の重さ。
その病名は「仙尾部奇形腫」(せんびぶきけいしゅ)。
35,000から40,000人に1人の発症率で、男女比率でいうと1:3くらいだそう。
詳しい情報は、小児慢性特定疾患の症状をこまかく見れるサイトがあるので、こちらをご覧ください⇒仙尾部奇形腫 / 小児慢性特定疾病情報センター
同じ病名でも症状はさまざま
高知医療センターでお世話になっていますが、小児外科の先生も過去に1人か2人しか見たことないくらいの希少疾患だとか。
10年以上、小児科に関わっている先生でも知らない先生もいるほどです。
また、腫瘍の性質も人によってさまざまで、前もって仮説をたてて手術内容を計画しても、その通りにうまくいかないこともあるようです。
息子の腫瘍の形や性質も、手術前だと「そこまでは難しくはなさそう」ということでしたが、「蓋を開けてみると、想像以上に大変だった」と先生も言われていました。
腫瘍のできる原因
これはまだはっきり解明されていないようです。
NICUに母乳を届けるために通った日々
産後3日目から少しずつ私の体力も回復しだしたので、外出届を産院に出して、車で片道20分、夫に運転してもらいながら産後まもない息子に会いにいきました。
ちょっとしか出ない母乳も、電動搾乳機を借りて絞っては冷凍して、を繰り返したらちょっとずつ出るように。
息子と会っている間は笑顔でいられたけど、また産院に戻ったら涙がとまらない。
両側の部屋から、赤ちゃんの泣き声が聞こえてくるたびに、自分を責めて責めて責めまくりました。
「どうして気づいてあげられなかったんだろう。」
「どうして健康に産んであげられなかったんだろう。」
とにもかくにも、どうしての嵐。
自分自身が入院中はトイレ・お風呂以外には基本的に部屋に引きこもっていました。
だって、赤ちゃんを抱えて、しあわせそうな表情のお母さんたちを見たら、殴りにかかるか、目の前で泣き喚いてしまうほどに精神状態がかなり不安定になっていました。
産んだはずの赤ちゃんが目の前にいない。
それだけでもつらいのに、赤ちゃんに会いに行きたくても、会陰縫合した部分が痛すぎて歩くのもようようなので、すぐには飛んでいけない。
どうして総合病院にしなかったんだろう。
NICUの先生たちも
「今はお母さんも身体をゆっくり休める時だから、赤ちゃんが休ませてくれる時間を与えてくれたと思って、しっかり休んでね」
という温かい言葉をかけてくれましたが、それでもやっぱりこの時は息子と1日一緒にいたくて、どんな言葉をかけられても受け入れられませんでした。
もしも赤ちゃんのお尻に腫瘍が見つかったら
分娩方法
たいていはエコーでわかるので、経過をみながら妊娠後期になったら様子を見て、帝王切開で赤ちゃんを取り出します。
しかし、私が通っていた産院がエコーを軽視していたこともあり、私は経膣分娩で産みました。
これは下手したら、母子ともに危険に陥る可能性もあったので、そうなってたら医療ミスですよ…。
ほんとにエコーはめちゃくちゃ大事です。
我が家の場合だと、出産したのが個人の産院だったので、息子は救急車ですぐに医療センターのNICUに運び込まれました。
腫瘍の摘出手術は早ければ早いほどいい
産後、赤ちゃんの大きさや体力をみながら、摘出の手術を行います。
胎児のときや、生まれたてのころの赤ちゃんのお尻の腫瘍は「良性」であることが多いので、悪性にならないうちに手術を行うのがいいようです。
とにかく国の難病・特定疾患にされているくらいなので、症例が少なく、前述したように個人によっての差もあるので、高知医療センターの先生だけでなく、過去に仙尾部奇形腫の手術を行ったことのある県外の先生にも来てもらいました。
私の息子も当初の予定だと産後14日目くらいに手術予定だったのですが、大きく生まれてくれたことと体力があることもあり、産後8日目で約6時間におよぶ摘出手術をすることになりました。
ちなみに予定手術時間は3時間だったので、倍の時間がかかって、本当に不安感が半端なかったです。
ちなみに手術説明についての文言はこんな感じでした。
仙尾部に大きな腫瘍がある状態で出生されました。
新生児の時期に摘出の必要があります。全身麻酔をかけて、うつぶせの体位で手術を行います。
腫瘍周囲の皮膚を切開し、腫瘍の壁沿いに腫瘍周囲を剥離。
腫瘍を栄養している血管が頭側から腫瘍に入っているので、出血に注意しながらこれを処理します。
摘出したあとは、止血を確認し、腫瘍によって拡げられた筋肉群をできるだけ通常の状態になるように再建します。
傷を閉じて手術は終了です。
全身麻酔、身体にメス入れるとか考えると、どうしようもない感情になりましたが、お尻に腫瘍をつけたまま生きるわけにもいかない。
母親である私がしっかり応援してあげなきゃ、という一心でした。
仙尾部奇形腫の後遺症の可能性について
手術をする以上、後遺症や合併症や、手術中に起こりうる最悪の事態の話もされるわけです。
頭では必ずしやそうなることはないとわかっていても、涙はあふれるばかり。
手術中には出血や感染になる可能性もある以外、後遺症としては
- 直腸膀胱障害(排尿、排便に支障が出るかもしれない)
- 奇形腫群腫瘍の再発
この2つが挙げられていました。
あとはわずかな可能性としては、少し削った骨の部分が身長が伸びる過程のなかでいたずらをしたら、成長過程で問題が生じるかもしれない、とのことでした。
腫瘍の摘出手術のあと
手術後10日間、抜糸するまで様子見のため、さらに入院。
予定よりも回復が早いため、予定通りの退院となり、退院日前日より私も母子同室で病院に泊まりました。
この日にわたしの父と妹も会いにきてくれて、みんなで息子を愛でるそのときになって、ようやく息子が生まれてきてくれた喜びを噛みしめました。
まだまだ夜型だった息子は、夜中に起き、泣き喚くので大変だったけど、今思い返せばいい思い出…。
術後のおしりの形
仙尾部奇形腫の腫瘍を摘出する手術をする前、私自身がすっごくこのおしりの形がどうなるのか気になって仕方ありませんでした。
結論からいうと、ちゃんとお尻の形をしているということです。
お尻のイラストを書くとこんな感じで、お尻の割れ目に向かって、一本プラスされた線があるという感じでしょうか。
そこにうんちや、汗がたまりやすくなるので清潔に保ってあげる必要はありますが、思ったよりは目立ってない!
もちろん将来的に温泉とか、小学校のプールとか修学旅行のときのお風呂とかでバカにされたりすることがあるんでしょうが、そんなことでへこたれる息子にならないように育てるのだ!!
その後と今後のこと
経過観察
その後、生後2ヶ月、3ヶ月、5ヶ月の計3回、術後の経過をみるために病院へ通っています。
そのうちの一回は血液検査もありました。
なによりも一番怖いのは「奇形腫群腫瘍の再発」です。
再発の恐れは、少なくとも3,4才ころまでは結構高確率であるようなので、それまでは定期的に検診に行く必要があります。
その後は、成人になるくらいまで(成長がある程度止まるまで)は1年に1度くらいのペースになるとのこと。
今のところ、排尿も排便にも支障はなさそうでホッとしていますが、この直腸膀胱障害は仙尾部奇形腫になった子どもたちの15%がなっているくらいなので、一番恐れているところでもありました。
予防接種、乳児健診
病院まで片道1時間半かかることもあるので、紹介状も書いてもらって、予防接種や乳児検診は近所の総合病院でみてもらっています。
正直、成長も順調すぎて病気のことを忘れる
今現在、生後8ヶ月になった息子は体重9.5kgのビッグベイビー。
つかまり立ちはなんのその、つたい歩きもするし、階段も余裕でのぼります。
ハイハイも日に日に高速化しており、力もどんどんついて、すでに母である私は負けています。
それくらいに元気にすくすく育ってくれているし、医療センターの先生も
「サッカーでも野球でもできるように治すからな!」
と言ってくれた通り、すでに息子はボールも追いかけて遊んでいます。
めまぐるしい子育ての日々の中で、うっかり病気のことって忘れがちだけど、でもそれでいいと思ってます。
変に気にして心配して過ごすよりも、今にひたむきになって楽しく生きる方がいいじゃないですか。
再発のことはもちろんまだまだ可能性があるので怖いけど、うちの息子なら絶対にまた乗り越えられる。
再発したらしたで、そのときになって向き合えばいいんです。
というわけで、この記事が同じ病状の子を持つお母さんのためになれば幸いです。
病気があるなしに関わらず、子育てというのは大変なので、息抜きもして、お母さんも休める時に休みましょうね。
それでは今回はこれにて。ではまた!
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