こんにちは。新米猟師のセイカ(@seyca_ktd)です。
わな猟の免許を取ってから早くも1年半が経過しようとしています。
基本的には鹿を捕獲するのを主にやっていたんですが、妊娠を機にしばらくお休みしています。
今もまだ子どもが幼いため、罠の見回りに頻繁に行けないのでお休み中。
なんてことを家の裏山見ながら思うわけですが、そんなときに近所の猟師さんから一報。
「ハクビシン、食べてみるかよ?」
目次
ハクビシンってどんな動物?
というわけで、まずはハクビシンの紹介をさせてください。
ハクビシンとは、ジャコウネコ科のハクビシン属。
言わずともがな、外来種の動物で、よく畑や果樹園を荒らすことで有名です。
また屋内にも入り込んでは、糞尿をやらかしたり、ちょっとおちゃめなハクビシン。
わたしの住む高知県でも有害鳥獣駆除の対象となっています。
一方で、地方では「お山のジビエの中では一番おいしい」とも言われているほど、実は絶品グルメだったりもします。
ハクビシンを解体して、いただくまで
基本的に狩猟や家畜関係の記事で注釈をつけていますが、「生き物」としての形を成している間はそこにまだ彼らの精神が宿っているものだと思っているので写真を撮らないスタンスでいます。
そういう写真を撮って、こういったところに写真を掲載することで誰が見てトクするのか?という話。
写真をこういったところに載せたところで、命のありがたさをたやすく知れるものだとは思わないからです。
なので以下は「食肉」だとみなせる部分を一部掲載しています。
ハクビシンは捕獲後に捨てられがちな動物
「ハクビシンを捕獲後どうすればいいのかわからない」
「ハクビシンってそもそも食べても大丈夫?」
などの心配要素があって、捨てられることが多い動物です。
住宅街なんかにも生息しているので、街中で捕まえられちゃうといよいよ「どうしていいかわからない」って方が多いんだと思います。
そもそも食べるという概念がそこには存在していないような。
でも、彼らも大切ないのちであり、獲って命を奪うからには、血となり肉となり、命を循環させてあげる方が供養にもなるんじゃないかと私は考えます。
ハクビシンの解体方法
すでに血抜きはされてあったので、わたしたちがやるべきことは「解体」でした。
とは言っても、すべて旦那さんがやってくれたのですが…。
簡単にいうと、
- 皮をはぐ
- 内臓を出す
- ももとうで肉を取る
- あばらの周辺をバラして、こそげる部分は取る
- あばらをハサミでバラバラにする
こんな感じです。
肋肉のまわりのお肉はこんなにいっぱいあるので、めげずにこそいでみてくださいね。
他の野生動物や家畜同様に、骨などからもおいしいガラスープがとれるのでぜひやってみてください。
ハクビシンのおいしい食べ方
まだ全部は食べきれていないのですが、実際に我が家で調理したので、いくつかご紹介していきます。
ハクビシンのすき焼き
あばら骨の周辺のお肉は、すべて「すき焼き」としていただきました。
関西風にまずは炒めるところから。
軽く油をひいて、お肉を炒めます。
そこに、白菜・長ネギ・きのこ・豆腐などお好みの野菜や具材を投入し、すき焼きの割り下も入れて煮ます。
あとは卵につけて、いただきます。
これがハクビシンの定番料理なんだそうですが、悶絶するくらいに美味しかった…。
ハクビシンのガラスープとあばら肉のポトフ
あらかじめとっておいたハクビシンのガラスープに根菜類を柔らかくなるまで煮て、あばら肉も骨つきでコトコト一煮立ち。
あとは簡単に塩胡椒で味付けすれば完成です。
ガラスープは、ブイヨンみたいな味がするので、上等なスープができあがります。
ハクビシンのコロッケ
我が家ではジビエが手に入ったら必ずミンチにして、コロッケやカレーにしたりします。
鹿肉でコロッケを作った時は結構あっさりしていたんですが、ハクビシンは脂身もあるので、めちゃくちゃ美味しくできあがります。
マッシュしたじゃがいもと合わせる前にミンチと玉ねぎを炒めますが、この時点ですでに美味しかったです。
ハクビシンのガラスープの取り方
基本的には鶏のガラスープと同じようにとりました。
まずは一度ガラをお鍋に投入して、茹でこぼします。
ここに頭部や尻尾を入れる方もいるようなので、そこらへんは自己判断で。
その後、薬味となる生姜やネギ、にんにくをいれて、あとはストーブの上でコトコト4〜5時間煮込んだら完成。
すべて一気に使わずとも冷凍すれば日持ちもします。
スープが飲みたい時に、具材を適当に入れて塩胡椒や少しお醤油を入れれば、めちゃくちゃおいしいスープができるので、これは本当におすすめ。
ハクビシンを食べた感想
「ハクビシンっておいしいの?どんな味?」ってよく聞かれるのでお答えしておきます。
なにかに例えて説明するのがかなり難しいんですが、強いて言うなら「牛肉」が一番近いのかも。
牛肉のホルモンみたいな食感。
ぷりぷりで、こりこり、それでなお脂身もある。
脂身がとにかく美味しいんです。
七輪で焼肉みたいにしても絶対おいしいと思います。
塩麹や醤油麹につけておけば、ちょっと日持ちもよくなるし、旨味もぐんと増すので、ハクビシン捕獲した方はぜひお試しあれ。
ハクビシンの皮は、現在皮なめしに挑戦中!
さらには肉だけではなく皮も暮らしに落としこめるように。
鹿の皮なめしは何度か試したことがあって、まだまだ上手くはないですが、その経験を活かしてハクビシンの皮なめし。
コツはなんといっても「皮だけをきれいに残し、脂をすべて取り除くこと」です。
この上のような状態が理想的。
これ高圧洗浄機でやるとめちゃくちゃ早いです。脂が飛び散るけど。
今はなめし液に漬け込み中。
これもまたうまくいったらご報告します。
まとめ
以上、ハクビシンを丸々活かす方法をご紹介してきました。
狩猟は命が関係してくることなので、この記事に関してもさまざまな意見がありそうですね。
しかし、ここ高知の山奥で暮らしていくからには、自然の動物たちともうまく折り合いをつけながら、いただけるところはいただいて、自分の生きる糧にさせてもらおうと思っています。
もちろんこんなのは人間のエゴですが。
ハクビシンの肉を食べて、その乳を息子が栄養分として摂取していく。
こうやって命って循環していくし、「生きる」ってシンプルにこういうことだよなあと思う今日この頃です。
それでは今回はこれにて。ではまた!
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