こんばんは。せいか(@seyca_ktd)です。
ちょうど鶏を飼い始めて1年が経ちました。
ちょうど鶏を飼い始めて半年経ったころから、飼っている鶏たちが卵を孵化させ出し、8羽いたのが23羽ほどになった時期もありました。
鶏を飼っている以上は、いつかは「屠殺」して「食べる」ということをしなくてはいけません。
わたしは狩猟をしていますが、狩猟には師匠がいるんですよね。
捕まえた鹿の捌き方は、その師匠に教えてもらったもので、
なんてことを考えていましたが、どんどん月日が過ぎていく…。
というわけで、ついに旦那さんと独学で鶏を屠殺する日がやってきました。
目次
どうして鶏を屠殺してまで食べたいのか
「鶏を屠殺する」というと、賛否両論飛び交いますよね。
そこには「命を扱う」というデリケートな問題が関わっているからこそ、それに関して議論をするのは個人的にはすごく大切なことだと感じています。
わざわざ自分自身で鶏を屠殺しなくたって、すぐ近くのスーパーに行けばいつでも食べたい量だけ買うことができるんですからね。
そうは知ってても「生き物を生き物として扱えずに育ったお肉」だけを食べて死んでいく人生は嫌だという思いが私の中にはありました。
お肉を大量に供給するには、効率化をどうしても求めることが必要になってきます。
そのためには鶏の場合だと、一生羽を広げられないような場所に缶詰状態で育っていることが多いんです。
決してそのこと自体を否定するわけでもなく「動物がかわいそうだ!ベジタリアンになろう!」なんてことを言いたいわけでもありません。
ただ現代の食卓には「見えていない部分」があまりに多すぎる。
興味本位で見たいからやるんではなくて、どうやってその「お肉」が作り出されているのか。
自分の命の一部として体内に取り込むからにはいただく命に対しても責任を持って食べたいというのが、鶏を屠殺する理由です。
屠殺した鶏はヒヨコから大切に育てた子たち
2017年の1月に飼い始めた高知県の推奨鶏「土佐ジロー」が産んだ卵から孵化して出てきたヒヨコたち。
もうそれは可愛くてたまらない存在でした。
でも鶏飼い始めてから本当にいろんなことがあったのも事実…。
でもこれだけいろんなストーリーを共にしてきたからこそ、「いただきます」って心の底から感じました。
以下、実際に鶏を屠殺したときのことを綴っています。
鶏の屠殺の仕方
簡単に工程だけは文章として残しておこうと思います。
「生き物」としての形を成している様子は私はどうも写真を撮ることができないので、「食肉」だとみなせるところを一部掲載しています。
人によってはグロいから気分を害すということもあり得ますので、苦手な方はこれより先は見ないことをおすすめします。
鶏を捕まえる
まずは鶏を捕まえます。
そして身動きが取れないように、羽の根元部分と、足の根元部分を、ひもで固定させます。
喉の頸動脈を切って血抜きする
鶏をしっかり固定し、狩猟用ナイフで喉の頸動脈を切ります。
そしてすぐに血抜きをするために紐でつるして、そのまま10分ほど置いておきます。
このときしっかり血抜きできていないと、細菌が残る原因にもなります。
お湯につけて、鶏の羽をむしる
あらかじめお湯を沸かしておき、それをバケツにうつしておきます。
そこに血抜きをした鶏を20~30秒ほど浸けておくと、驚くほどに羽を簡単にむしることができるんです。
ここで極力残らないように綺麗に羽をむしっておくのが大事。
残った毛はバーナーで焼く
そして、手ではむしれないような細かい毛はバーナーで焼きます。
田舎暮らししていると、バーナーが便利道具すぎる。
解体して、それぞれの部位に分ける
やはりここの工程が一番時間がかかりました。
特に慣れていないから余計に大変だったけど、YouTubeでこんなに詳しい「鶏の解体」の方法を載せてくれてる方がいて、この通りにやったら、きれいに捌けました。
内臓の部分についても別の動画で説明されているのがあるので、このブログを参考に鶏を捌く方がいればそちらを参考にしてみてください。
屠殺した「鶏」をいただく
実際に分けた鶏の部位別。
一番左:もも肉、手羽元、手羽先
真ん中:ささみ、鶏皮、むね肉
右:ハツ、砂肝、白子、せせり、レバー、トサカ、ぼんじり
***
人間の勝手で、鶏を飼育して、屠殺して、食べるんだから、最低限でも食べられるところはすべておいしくいただくのが彼らへの礼儀です。
というわけで、実際に屠殺した2羽の鶏の調理方法を簡単にご紹介しておきます。
鶏皮ポン酢
さっと湯通しした鶏皮に大根おろしとポン酢をかければできあがり。
コリコリの食感がたまらなく、おいしかった…
七輪で炙り焼き
なんて言ったってやっぱりこれです。
主には内臓、ぼんじり、トサカを炙っていただきました。シンプルに塩で食べるのがめちゃくちゃおいしい。
我が家は旦那さんが炭火担当ですが、めちゃくちゃ手早いんです。
それに使う道具はこちらでも以前ご紹介したので、炭火を手軽に楽しみたい方はご参照ください!
親子丼と鶏がらスープ
そしてやっぱり定番「親子丼」は旦那作。こちらはむね肉を使いました。
鶏がらスープはセロリ、玉ねぎ、生姜とコトコト4時間煮たもの。
親子丼は、お醤油、みりん、砂糖で味付け。卵はもちろん土佐ジローのもの。
水炊き
こちらは主には鶏モモ肉を使っての水炊き。
地元の野菜をふんだんに、高知県馬路村のポン酢と一緒にいただきました。
砂肝のガーリックバター炒め
バターがとけたところににんにくスライスをいれて香りを出したら、そこに砂肝を投入し塩コショウで味付けしたもの。
これもおいしかった…。
最後に
狩猟とはまた違った感覚があった、家畜の屠殺。
狩猟ではじめて獲物を捕まえて捌いたときのことはここに綴っています。
この記事読み返してみると、狩猟同様、屠殺する前後の鶏に対してもどうしてもレンズを向けられませんでした。
ファインダーを覗いて写真を撮れたのは、普段見慣れた「鶏肉」の姿になってから。
さて、そうこう思いの丈を綴りましたが、シンプルに鶏を飼った理由は、鶏を飼いたいと思ったからです。
鶏のいる暮らしがしたい。
田舎暮らしに憧れていた自分のひとつの願望だったんです。
鶏って田舎暮らしでは人間にとって非常に有益な家畜なんですよね。
卵を産んでくれ、やがてはお肉としても食べられる。
鹿やイノシシほど解体するのに気合いはいらないし、昔から身近に飼われていた理由も実際にやってみると納得です。
はじめての鶏を屠殺した日。
今日はひよこから飼っていた土佐ジローの子、通称サブローの雄鶏を二羽捌きました。せっかくだから七輪持ち出して炭火焼。あとは鶏皮ポン酢でいただきました。
今まで当たり前に口にしていた「鶏肉」のこと、何も知らずに食べてたんだなあと痛感。ほんとご馳走様でした。 pic.twitter.com/WVLIDYOL9U
— セイカ (@seyca_ktd) 2018年2月3日
ひよこから飼ってた分、彼らが何を口にして生きてきたか見てきたから、間接的にだけど自分もその餌を取り込んでる気分になった。そんな彼らをいただいて、またそれで得た栄養素を息子に母乳で与えてる。こうして命は循環していく。生きるとはシンプルにこういうことだと思ってる。
— セイカ (@seyca_ktd) 2018年2月3日
そんなこんなで、これからも極力シンプルに生きていきたいなあ。
それでは今回はこれにて。ではまた!