「ヤギの調子がいきなり悪くなった!どうしよう…」
今回はそんな不安を抱える前にできることを、自分がヤギを飼っている体験からお伝えします。
我が家では以前、トカラヤギをつがいで2頭、飼っていました。
数年は元気に暮らしていて、メスヤギは2度の出産を経て、赤ちゃんも産んでくれました。
しかし、栄養失調でメスヤギは亡くなってしまい、その1年後にオスヤギまでつづいて亡くなってしまい、飼い主として何もしてやれなかったことを大いに悔やみました。
ヤギ誕生の様子などは、私のYouTubeチャンネル「セイカの暮らし便り」にもアップしましたので、ご興味あればぜひみてみてください。
なお、ヤギに関しては専門家ではなく、素人として当記事を執筆しています。
ヤギを実際に飼っている人の一意見として参考にしていただけると助かります。
目次
最悪死に至ることも…。ヤギの警戒すべき症状「腰麻痺」
写真の子たちは現在、飼育中のザーネン種のヤギ(オス・メス)です。
この子たちの前に飼っていたのがトカラヤギという品種の在来種のヤギで、感染症にも強いという噂を聞いており、譲渡していただいた方にも
「トカラヤギは近親交配にも免疫があり、問題ない。さらには駆虫薬をしなくても強いから必要ない」
という話を聞いていました。
地元でお世話になっている獣医さんも、そのような話を時々聞くことがあるそうで、しかしながら、そういうことを言われているヤギでもやっぱり線虫が原因で亡くなるヤギもいるから、獣医さんとしては、駆虫薬をぜひともやってあげてほしいとのこと。
犬猫を飼っている方は知識があると思いますが、フィラリアなど寄生虫予防のために、獣医さんで処方された薬を定期的にあげますよね。
ヤギもそれと同様に、原則として予防が必要であり、実際「腰麻痺」という虫が媒介して起立不能になったり、最悪の場合は死に至ることもあるので、注意が必要なのです。
我が家のオスヤギが亡くなった理由
飼育していたトカラヤギのオスが亡くなる数日前に、突然放牧をしていたら、バタンと倒れ込んで立てなくなったことがありました。
基本的に放牧中は毒草を見分けて食べてくれますが、稀に混ざっていて、アセビなど毒性の強い草を食べると、口から泡を噴いて倒れこむ…ということが、飼育中に数回ありました。
毒性のある草の誤食も怖いのですが、そのときはそれが原因かと思いましたが、実際には違いました。
原因はなんと、体内に入った「線虫」による仕業でした。
ヤギを含め、動物というのは、人間が風邪のひきはじめに「しんどいから風邪薬を飲んでおこう」というような、前もっての症状を見せず、ギリギリまで我慢してしまいます。
そのため、倒れたり、立てなくなったり…というところから、復活するのは正直奇跡のようなもの…。
それはメスヤギの亡くなったことから理解していたものの、オスヤギもその日を境に、自分で立てなくなってしまい、移動するには、人の手で抱っこして移動させる必要が出てきました。
年齢はまだ3歳ほどなので若いし、老化の症状ではありません。
そこで便をもって獣医さんで検査してもらうと、線虫がくっきりと写り込んでいました。
頭に浮かぶ原因はやっぱり「駆虫薬」。
譲渡してくださった方の言葉を鵜呑みにし、メスヤギは栄養失調が原因であったことから、まさかオスヤギが線虫が原因で亡くなろうとしていることはその当時は頭にはなく、駆虫薬は当時は一切与えていなかったのです。
次第に水も餌も摂取が難しくなり、点滴生活となるものの、やせ細った体に針をさせるところも少なく、すぐに抜けてしまい、栄養を与えるのも困難に。
本当に地獄でした。
そのことばかりが頭をよぎりますが、もうそのときには時すでに遅く、打つ手がないのです。
獣医さんからも「あと1日かもしれませんね」と言われ、その晩はできるだけそばにいるようにし、本当に「ごめんね」以外の言葉がオスヤギにはかけられず、申し訳ない気持ちでいっぱいで、そうして、翌朝オスヤギは息を引き取りました。
ヤギを飼うなら、駆虫薬を与えよう
一般的に、獣医さんでも相談すると、ヤギの駆虫薬として使用されるのは「イベルメクチン」という薬剤です。
この薬剤を定期接種することで、腰麻痺のリスクは減らすことができます。
まずはヤギに詳しい獣医さんなどに相談し、どのくらいの量が必要かなどを知ることが大事です。
ヤギの命を守れるのは飼い主だけ!ヤギとの楽しい暮らしのために
大変なこともあるけれど、癒しを与えてくれるヤギの存在。
我が家の暮らしにおいても、欠かせない存在となっていて、本当にかわいい子たちです。
そんな子たちの命を守れるのは、やっぱり飼い主である私たち。
駆虫薬を定期投与することで守れたであろう命を知っているからこそ、ヤギを飼う方には駆虫薬の大切さを声を大にして伝えていきたいと思っています。
免疫で守られていると信じるのももちろん否定はしないし、実際に投与せずに長生きしている子もいるのでしょうが、それは本当に偶然の偶然。
リスクを減らせるのであれば、減らしてあげるのがいいのではというのが私の意見です。
あの当時、譲渡していただいた方の言葉を鵜呑みにして、獣医さんの言うことを聞かなかった私はなんて愚かだったんだろう…と過去を悔やんでも、オスヤギの命がもどってくることはありません。
どうか、正しい知識をもって、ヤギのために何ができるかを考えて行動してあげてくださいね。
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