こんばんは。せいか(@seyca_ktd)です。
山口県の瀬戸内海に浮かぶ周囲12キロの小さな島、祝島。
2011年の福島の原発事故以来、この島の存在を知りました。
ハートの形の島、あるいは猫の島としても有名な祝島。
猫好きな方ならきっと知っているこの方の写真集にも出てくる島です。
また『ある精肉店のはなし』も手がけた纐纈あや監督が、この島をテーマにドキュメンタリー映画を撮られています。
わたしもまだこれはチェック出来ていないので、必ず見たい映画リストのひとつ。
祝島ってどんな島?
この祝島。
ずっと気になっていたこの島に、わたしも2014年9月に訪問することができました。とはいえ、デモのタイミングには合わず、デモに関してはお話を聞くしかできませんでしたが。
ブログを開設したのを良い機会に、この島の存在は出来るだけ多くの方に知って頂きたいし、記事を書くことが祝島を訪れた私の唯一できることだと思いました。
原発反対活動のことに着眼点がいきがちですが、そのことを抜きにしても、緑と海が美しく、非常に魅力的な島で、また訪れたくなる場所です。
なによりもご飯が美味しくて、無農薬で栽培された枇杷茶が心からほっこり癒してくれます。
この島の特産品といえば、この「びわ茶」。今まで飲んだびわ茶で断然おいしい!
ちなみに、葉だけでなくって種にも抗がんに効く成分があり、果実もすごく甘くて美味しいし、余すところがない、自然の恵みです。
そんな祝島で作られる「びわ茶」の購入は「祝島市場」からできます。
枇杷の実もすごく食感がよく、実がしっかりしていて美味しいのです。
山をどんどん奥へ入り、振り返ると、まわりは枇杷の木がたくさん。
そして「コッコー」という不老長寿のキウイのような実や
ひじきもすごく柔らかいことで有名で、なんともグルメな島に違いないです。
また、島内のあちこちに猫がうろうろしていて、猫好きにはたまらない場所。
ほら、ここにも。
祝島の島民の方に聞く、原発に関する本音
ありがたいことに、島の方にお話を聞く機会もあり、すごく今後の未来づくりのために生かされるべきだと思うことがたくさんありました。
室津や上関の人々は当初、上関原発建設にほぼ賛成だった。もちろん祝島の中でも賛成派の人もいるし、
でもコミュニティーが狭い分だけそれだけ対立しやすく、関係も悪化しやすい。
反原発の移住者も少数はいるが、本音を聞けば、そういう方よりもやはり戻って来て欲しいのは地元の若者たち。
けれども、島には就職できるような場所がないので、よっぽど手に職がないとなかなか厳しい現実がありました。
空き家がほぼない上に、県や市も移住を進めてはいないので高齢化、過疎化が進むばかり。
…と、現状は日本どこでも同じもの。
買い物事情もまたよくも悪くも不便な場所ならではの実事情がありました。牛乳一本300円するため、野菜を買うなんてことは論外で、基本は自給自足の体制がとられています。
島のあちこちに、これくらいのサイズの畑がありました。
原発建設予定地はなんと瀬戸内海でも魚がよくとれる場所と、祝島の裏にあたるところ。
建設をはじめてしまえば、そこから依存のシステムははじまる。建てたら終わりというわけでもなく、給付金をもらい、そのお金で施設を作るとその施設の設備維持にもお金がかかり、結局第二基を作ることを許すことにもなり得る。
震災以降、少し歯止めが掛かった感じはするが、それでもまだ建設を進めようとしているし、言い方は悪いけれども、あの震災がなければ無理矢理にでもつくっていただろうな。
と島の方が悲しそうな表情で教えてくれました。
わたしは、3日かけて自転車や歩いて、祝島のあちこちをまわりました。(島内にレンタサイクルあり)
祝島にある自然にここで暮らしてきた人々が寄り添って、守ってきた豊かな自然環境がここにはまだ残っている。
この30年以上の想いと努力がどうか報われますように。
島の方を見ているとそう思うのです。
島外のわたしが、ただ言えることは、人に限らず、すべての生き物の命よりも優先されるものなんてあるのかと疑問で仕方ないです。
福島の原発事故を受けてからもすごく強く感じたこと。
それを口を大にして、まわりに訴えかけるのが自分にできることなんだと、教えてくれたのが祝島でした。
島外からも声をあげて反対を訴えなければ、島内の人間がこれだけやってきても反対活動に終わりがこない。
これは島の方の一言。
命よりも金が優先される今の世の中はなんて哀しい世界なんだろうか。人が自然を裏切るとき、自然も不思議とそれに対して抵抗してるように思えることがあります。
だからこそわたしは自然と共生する暮らしを選んで生きたいと改めて感じた旅でした。
また祝島の澄んだ空気とおいしいごはんを食べに遊びにいきたい今日この頃です。
民宿くにひろの優子さんの作ってくださるごはんが本当に美味しかった。
今回お世話になった宿
「民宿くにひろ」
[住所]〒742-1401 山口県熊毛郡上関町祝島
[料金]一泊二食 7000円 素泊まり 4000円
[電話番号]090-1332-4897
Web上で3ヶ月先までの予約が可能。
祝島へのアクセス
[最寄りの駅]JR山陰本線 柳井港駅
そこまでフェリーの本数も多くないので、時間を調整しもって行くのをおすすめします。詳しい詳細は「祝島のご案内」をご参照ください。
柳井港から旅客船「いわい」で室津・上関・蒲井・四代経由、祝島へ。柳井港駅から港までは徒歩3分ほどで着きます。
調べてみると、四国からもわりとアクセスがよくて、愛媛県松山(三津浜港)からフェリーでおよそ2時間30分で柳井港に着くようです。
これはまた近いうちに再訪できる予感…!
何人かで行く旅もいいけれど、一人旅でもめちゃくちゃ楽しめる島です。
フィルムカメラのファインダー越しに見た「祝島」
学生時代に訪れ、そのときに愛機であるNikon FE2で撮影した祝島がありました。
それでは今回はこれにて。ではまた!
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